写真:エレファンスゾウカブト♂

今回の記事ではムシ本体以外に買い揃えるべき品々を紹介していきます。

まずは虫カゴ。これが重要です。

100均などでも普通の虫カゴは買えますが、エサにショウジョウバエなどが湧くことがあり、虫かごにスキマがあると侵入の原因となってしまいます。

また、カブトムシ、クワガタムシの幼虫をケースで育てるとき、エサとなる土にキノコバエ(クチキバエ)というものが大量発生することがあり、これも虫カゴのスキマから侵入してきます。

そういった侵入を防いでくれ、且つ通気性を確保してくれるのがコバエシャッター(通称コバシャ)と呼ばれるものです。

ケースの部分こそ普通の虫カゴと変わりませんが、蓋の通気口部分が不織布で覆われていたり、ハエが侵入できないほど小さな穴が空いている仕掛けになっています。

コバシャを買っておくとハエの侵入防止、ケース内の乾燥防止も期待できますので、是非購入しましょう。

次は虫カゴに入れる土ですね。

ぶっちゃけ公園とかで取ってきた土でもなんでも良いのですが、中に有害なものが入っていたりすることも多々有ります。

また、土ですと湿らせた時に泥状になってしまい、クワカブが泥だらけになってしまいます(´・ω・`)

ということで、昆虫専用の土(通称昆虫マット)も揃えておくのがベストです。

昆虫マットは実に多様な種類がありますが、大雑把に分けると成虫の管理用幼虫飼育用に分けられます。

ただ「飼育」するだけなら成虫管理用マットで問題有りません。

成虫管理用マットはシイタケなどのホダ木(広葉樹)を粉砕しただけのものから、針葉樹でできたものなど、これまた細分化されています。

個人的には針葉樹でできたマット(針葉樹マット)をオススメします。

何故かと言うと、フツーの広葉樹マットですとクワカブに「ダニ」が付いてしまうからです。

ダニが付くと、見た目を損なうだけでなく、成虫の体力も削られてしまいます。

※幼虫飼育用マットに関しては後の記事にて詳しく解説します。

次はムシのエサ(通称昆虫ゼリー)です。

これまた100均やホームセンターにて売られているのですが、専門店では各々のお店が独自開発したゼリーなどを売っています。

お値段も50個入り400円から1000円までと、種類によってかなり幅があります。

昆虫ゼリーに1000円払うのは馬鹿らしい!と思うかもしれません。

但し高いのにはそれなりの理由があります。

例えば、私達ヒトは「ブドウ糖(グルコース)」を主要なエネルギー源として生きています。

一方ムシの場合は「トレハロース」を主要なエネルギー源としています。

ここで一般的な「砂糖」の主成分ですが、「スクロース」で構成されています。

ちなみにハチミツは主に「フルクトース」で構成されています。

どちらもヒトが摂取すると体内でグルコースに変換されますが、その際にムダなエネルギーを消費することになります。

ここでヒトから昆虫に置き換えると、スクロース、フルクトースからトレハロースへと変換する際には膨大なエネルギーを消費します。

更に簡単に言い換えると、砂糖水やハチミツをあげた場合、与えたエネルギーよりも消費されるエネルギーのほうが多くなってしまい、結果、ムシの体力を削ることになります。

それを考えると初めっから「トレハロース」が入っている昆虫ゼリーを与えたほうが、遥かに効率が良いというわけです。

その他、ヒトと同じくムシも「アミノ酸」が必要不可欠です。

ヒトは色んな物を食べることでアミノ酸を得ることが出来ますが、ムシは基本的に昆虫ゼリーしか選択肢が有りません。与える昆虫ゼリーにアミノ酸が含まれていないと、当然アミノ酸不足になります。

アミノ酸が不足しますと、筋肉などの構成要素である「タンパク質」を作ることができなくなり、結果、死んでしまいます。

となると、「アミノ酸」が含まれている昆虫ゼリーを与えるのが吉!ということになります。

で、値段の高い昆虫ゼリーには「トレハロース」「アミノ酸」などが過不足無く含まれているわけです。
100均の昆虫ゼリーにも最低限のトレハロースなどは含まれていますが、アミノ酸は十分に含まれていないことが非常に多いです。また、水分が多すぎるためにムシが「下痢」をしてしまいます。

ということで、ここは「高い昆虫ゼリー」を選択しましょう。

最後に、ムシはケース内をひょこひょこ歩きまわり、たまに転んでひっくり返ってしまいます。

このときに起き上がるきっかけとなる小枝や樹の皮などがないと、ジタバタもがいてエネルギーを使い果たし、死んでしまいます。

ですので小枝/樹の皮を必ず入れるようにしましょう。これは公園に落ちているものでも何でもOKですが、もちろん専門店でも売っています。

クワカブ「飼育」に必要なものは以上です!!

最後に全てそろえた光景を撮影しました。

ムシ本体、ケース、マット、ゼリー、樹皮です。

ムシの値段を除外しますと、上記のセットでだいたい2000円。

これにムシの値段を足したものが総額になります。

写真の例ですと、5600円のオオクワガタ(ペア)を選んでいますので、総額7600円程度、といったところです。

8000円あればクワカブ飼育は始められるんです!

比較対象として熱帯魚や爬虫類、哺乳類などで考えてみましょう。

熱帯魚は初期投資が非常に高く、小さーい水槽、濾過能力の低いフィルターなどで安く抑えても1万円以上はかかります。

鑑賞に足る設備を揃えるなら、2万円は欲しいところです。

爬虫類は現物の値段がかなりします。安価なものでも5000円は軽く超えてきます。

これに保温用品、紫外線ランプ、飼育用ケージなどを加算していくと、軽く3万円以上はかかってしまいます。

哺乳類は爬虫類以上に現物の値段がかかります。犬、猫などを飼われている方はわかるかと思います。

また、ハムスターや最近流行りのハリネズミ、フクロモモンガなどの小動物だとしても、ハムスターならば全て込みで1万円以上、ハリネズミ等はヘタすると4万円以上かかる場合も有ります。

上記の動物に比べれば・・・クワカブのコストの低さ、一目瞭然ですね!!^^

次回は買ってきた用品のセットの仕方、維持の方法について説明していきます!